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北投石も姫川薬石も放射能あり。低線量率の放射線は体にいい?!-書評:『「放射能は怖い」のウソ』(服部禎男著・武田ランダムハウス刊)

 本書は、米国の生命科学者トーマス・D・ラッキー博士が1982年に発表した「微量の放射線は生命にとって有益である」との仮説(放射線ホルミシス効果)に衝撃を受けた著者が、他の研究機関とも共同して調べた研究成果を分かりやすく解説した本である。現在の放射線に関する安全基準は、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告(1928年)に準拠しているのだが、この基準は1927年(昭和3年!)に米国のハーマン・J・マラー博士が行ったショウジョウバエに放射線を照射する実験の結果から、「放射線の害はその量に直線的に比例する(閾値無し)」という仮説に基づいている。しかし、その後DNAに関する研究が進む中で、DNAの自己修復機能を考慮して、安全基準を見直すべきではないかとの問題提起がなされた。そのあたりの経緯が縷々述べられていて興味深い。

 本書の立場に立てば、毎時10ミリシーベルト(自然界にある放射線の10万倍!)までDNAの自己修復は問題ないとのこと。それが正しければ、今直ぐ避難解除しても全く問題ないし、除染作業も大方不要となる。ありがたい話だ。ただ、放射線ホルミシス効果自体まだ仮設の段階であり、人によっては「トンデモ」呼ばわりされることもある。事実、Amazonの本書の感想も散々である。

 それでも、みんなして「放射能怖い!」と頭抱えているより、本書を読んで「こういう説もあるのか!」と別の学説の存在について知ることは無駄ではあるまい。折から国は「生涯100ミリシーベルト」などと根拠不明な基準を発表しているが、その妥当性を考える上でも、一読する価値はあると思う

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