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日本人がウソの歴史に騙されないために 書評:『韓流時代劇と朝鮮史の真実』(宮脇淳子著、扶桑社)

 図書館で『韓流時代劇と朝鮮史の真実 朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏』という本を借りて読んでみた。著者は宮脇淳子さんという方で、本職はモンゴル史の研究だという。なぜ、モンゴル史の専門家が、韓流時代劇の本を書いたかについては、本書のまえがきとあとがきに詳しいのでそこを読んでもらいたい。一つ押さえておかなければいけない点として、朝鮮半島の地理的要因がある。日本のように四方を海に囲まれた島国と違って、朝鮮半島は北方で大陸と陸続きのため、シナ本土やモンゴルや満州といった北方騎馬民族から様々な影響を絶えず受けてきたため、それら地域とのつながり抜きに朝鮮史は語れないという事実です。そのため、本文中(43~44頁)でも触れられていますが戦前は「満鮮史」としてひとつながりの地域史として研究されていました。著者の専門とするモンゴル史とも、接点が多々あるという事です(特に、李氏朝鮮の建国は、モンゴル史抜きには語れない)。
 さて、本書は代表的な韓流時代劇をいくつかピックアップし、年代順に以下のように並べて論評しています。

『朱蒙』(チュモン)紀元前37年ごろ 高句麗
『太王四神記』4~5世紀 高句麗
『善徳女王』6~7世紀 新羅
『龍の涙』14~5世紀 朝鮮王朝
『宮廷女官チャングムの誓い』(大長今)16世紀前半
『ファン・ジニ』(黄真伊)16世紀前半
『イ・サン』18世紀後半

 各ドラマの詳しい論評は本文を読んでもらうとして、どのドラマにも共通するのはあまりにも創作部分が多く、ほとんどフィクションというよりファンタジーに近いという事と、やたらメロドラマ仕立てにしたがることです。
 創作部分が多いのは、史料がほとんどないため勢い創作で補ってしまうため。また、「こうあって欲しい」という願望が強すぎて、数少ない史実すら捻じ曲げてしまうためです。さらに、視聴者受けを狙ってメロドラマ化するため、肝心の歴史的事実まで脇に追いやられてしまうという弊害が見られます。
 「たかがドラマなのだから、それぐらい大目に見ては?野暮じゃないか」という意見もあるかもしれませんが、作り話を本当の歴史と勘違いしてしまう(意図的に、そう誘導してるふしもある)ところが問題なのです。
 例えば、日本なら同じ時代物でも、史実に沿って作られてる『大河ドラマ』と、歴史上の人物は出てくるがフィクションである『水戸黄門』や『鬼平犯科帳』、舞台が江戸というだけで完全にフィクションである『猫侍』や『銭形平次』『必殺仕事人』など、視聴者も区別しながら楽しんでいます。ところが、韓流時代劇は史実や時代考証より妄想や願望優先であるにもかかわらず、それが『大河ドラマ』のように扱われ、韓国人の視聴者がそれを史実と受け入れてしまう事が問題なのです。(呆れたことに、日本人の視聴者まで作り話を史実と勘違いする人がいる)
 本文中(86~7頁)に触れられていますが、「アメリカのスタンフォード大学の研究者が、アジア、特に日中韓の歴史教科書をテーマに比較研究したところ、日本では歴史は「ヒストリー」、シナでは「プロパガンダ」、韓国では「ファンタジー」であるとの結論に至ったそうです」(以上、引用終わり)。各国のお国柄が出て興味深い話です。歴史に対するスタンスがこうも違うのでは、共通の歴史認識なんて最初から無理というものでしょう。
 お国柄と言えば、韓国名物の派閥間の抗争もドラマの中に出てきます。王族同士、両班同士、更に外戚までしゃしゃり出てドロドロの内部抗争を続けます。この朝鮮王朝の悪しき風潮は現在まで続いています。明治時代、かの福沢諭吉はあまりに旧態依然で非文明的な当時の朝鮮の姿に絶望して、有名な『脱亜論』を発表しましたが、その『脱亜論』に先立って『朝鮮独立党の処刑』という論文で激烈な批判を行っていました。少し長いですが、以下に引用します。
 「人間娑婆世界の地獄は朝鮮の京城に出現したり。我輩は此国を目して野蛮と評せんよりも寧ろ妖魔悪鬼の地獄国と云わんと欲する者なり。而して此地獄国の当局者は誰ぞ尋るに、事大党政府の官吏にして、其後見の実力を有する者は即ち支那人なり。我輩は千里遠隔の隣国に居り、固より其国事に縁なき者なれども、此事情を聞いてただ悲哀に堪えず、今この文を草するにも涙落ちて原稿紙を潤すを覚えざるなり」(262頁、引用終わり)。
 シナ及び朝鮮とは、交際を謝絶すべしという福沢翁の考えは、現在でも正しいと思われます。ただ、そうは言っても隣国である以上全く没交渉という訳にも参りません。昔から「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と申します。歴史問題で難癖つけられた時に臆することの無いように、まず自国の歴史、ついで相手国の歴史についてよく知っておく必要があります。韓流時代劇の虚実を皮切りに、朝鮮史について考えるきっかけを本書は与えてくれると思います。
 

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