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韓国船事故から1カ月

 韓国フェリー・セウォル号(SEWOL)が沈没した事故から1カ月。多数の犠牲者が出た上に今だ行方不明者も多いという。あらためて犠牲者の皆様に哀悼の意を表すとともに、行方不明者全員の一日も早い発見収容を願います。
 現時点で報道された情報によると、同船はもともと日本のマルエーフェリーが所有していたフェリーなみのうえで、平成6年に就航したベテランである。平成24年に退役後、韓国に売却され現地で改修の後、セウォル号として再就役したとされる。その際、客室を増設した結果、やや復元性が低下したため、積載可能な貨物量を制限された(約900t)という。ただ、船齢延長のために他にどのような改修が行われたのかは報道されていないため不明。当然、船殻の補修や機関のオーバーホールや電装品の更新などをやってるとは思うのだが…
 貨物積載量がやや少なくなった同船だが、これも報道によれば過積載が常態化しており、事故当日も3000t超の貨物を積んでいたという。貨物の固定も十分ではなかったという。その上、喫水線から過積載がばれないようにバラストを抜いていたとも言われている。これが事実なら、ひっくり返らない方が不思議だろう。この状態で急激な転舵を行ったため、貨物と車両が荷崩れを起こしたことで大傾斜を起こしたことが、沈没の原因らしいとされる。何故、大転舵をしたのか、当時当直に就いていたとされる三等航海士と操舵士の身柄は拘束されているが、どのような証言をしているのかは不明。ひょっとすると、転舵→荷崩れ→大傾斜ではなく、波浪等の影響でまず荷崩れと傾斜が起きてシップコントロールが失われ、船体のバランスが崩れた結果、急激な進路変更となったのだろうか?この辺の詳しい解析が望まれる。船体が大傾斜した結果、安全装置が働いたか、給油ができなくなったか、いずれかの理由で機関停止。急激すぎる傾斜でダメージコントロールもままならず(バラスト緊急放出と反対舷への注水もできなかったのか)、いきなり同船は死に体となってしまった。本来なら直ぐ乗客に救命胴衣を着てもらい、上甲板まで出てもらうべきだったのだが、船内アナウンスは「その場で動かないで」と言うばかりで避難誘導等は無く、船長以下船員は真っ先に逃げ出す始末。船長他の船員は、乗客を見捨てた行為が「未必の故意」にあたるとして、業務上過失致死ではなく殺人罪で起訴されるという。
 その後「全員救助」の誤報に海難当局まで振り回されたり、海上警察の対応の遅れや不徹底(船内救助を怠った)、海運会社と管海当局との癒着や実質オーナーとされる人物の怪しい経歴など、よくもここまで不幸な事情が重なったものだと、犠牲者の身に降りかかった不運と不幸の巨大さに気が遠くなりそうだ。まだまだ謎の部分も多いこの事故(というより事件)、さらにウォッチを続ける必要がある。

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