« ああ、いい天気。 | トップページ | 映画『ビハインド・ザ・コーブ』(Behind "THE COVE")を観てきた。 »

伊舎堂用久中佐

51yu9sa2kil_sx338_bo1204203200_
 『翁長知事と沖縄メディア』(仲新城誠:著、産経新聞出版、上記画像Amazonより)という本を読んだ。著者の仲新城誠氏は、沖縄県・八重山諸島(宮古・石垣・西表・与那国等)の地元紙・八重山日報HP)の編集長である。本書には、本土では報道されない沖縄県の実情、特に離島である八重山の状況が綴られている。日頃報道される「沖縄の声」は、実は沖縄本島の県庁周辺や、米軍基地周辺で騒いでる人々の声ばかりで、地元に住む人々、特に離島に住む人々の声は全くと言っていいほど伝わっていないことに気づかされる。沖縄に関心がある人は、ぜひ本書を読み、併せて『沖縄の不都合な真実』(大久保潤、篠原章:著、新潮社、下図)も読んで欲しい。本土にいて、沖縄に関する報道に対して感じるモヤモヤが、すべてはっきりするはずだ。

 さて、表題の伊舎堂用久(いしゃどう ようきゅう)中佐とは、沖縄県石垣市登野城出身の陸軍軍人。陸士55期で空中勤務者(飛行士)。航空隊勤務で支那大陸を転戦し、昭和19年に大尉任官。翌20年には「誠第17飛行隊」隊長として故郷・石垣島に赴任。そして昭和20年3月26日に、沖縄戦特攻第1号として石垣島より出撃し、慶良間諸島沖にて、敵空母部隊に体当たり攻撃を敢行した人物である。当時まだ24歳。死後、大尉から二階級特進で中佐となり、軍神と称えられた人。本書の254頁から260頁にかけて、伊舎堂中佐の履歴や人となり、中佐をはじめ、石垣から出撃した計31名の特攻隊員を顕彰する顕彰碑に関する記述がある。情けないことに、私は本書を読むまで、伊舎堂中佐のことを知りませんでした。地元出身で、故郷を守るために戦った人々の存在は、もっとクローズアップされてしかるべきだと思います。中佐の存在を知ることができただけでも、本書を読んだ価値はあったと思います。

 よく、「沖縄は見捨てられた」とか、「本土の捨て石にされた」という意見を聞きますが、沖縄戦で戦死したのは、伊舎堂中佐のような地元沖縄出身の兵士だけではありません。多くの将兵は、沖縄以外の地域から馳せ参じた人々です。彼らは、生まれ故郷を離れた沖縄で、沖縄を守るために戦って死にました。陸海軍の航空部隊は、沖縄上空で散華しましたし、戦艦大和は沖縄救援のため出撃し、途中敵艦上機の大編隊に集中攻撃を受け撃沈されました。沖縄が本当に見捨てられたなら、これほどの犠牲はなかったでしょう。沖縄は、決して見捨てられたわけではありません。懸命に戦って戦死した人びとに対して、これ以上の侮辱は無いでしょう。

伊舎堂中佐、辞世の句

 指折りつ待ちに待ちたる機ぞ来る 千尋の海にちるぞたのしき

※知覧特攻平和会館に、伊舎堂中佐の展示アリ。
 詳しくはこちら→http://www.chiran-tokkou.jp/learn/pilots/Ishado.html

300pxmitsubishi_ki511
(上記画像は、伊舎堂中佐が搭乗した、三菱九九式襲撃機の同型機。ウィキペディアの記事から、転載させていただきました)

51sxokncsgl_sx310_bo1204203200_
(こちらも宜しく!「沖縄の不都合な真実」画像は、Amazonより)

|

« ああ、いい天気。 | トップページ | 映画『ビハインド・ザ・コーブ』(Behind "THE COVE")を観てきた。 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事