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徘徊する老親とは同居できない?!(悲鳴)

 昨日の最高裁判決において、認知症の男性(当時91)が徘徊中JRの電車にはねられ死亡した事件につき、JRが男性遺族に対して行った賠償請求を棄却する判決が出ました。「監督が容易な場合は賠償責任を負うケースもあるが、今回は困難だった」として、本件に関しては家族の責任は無いと判断したものです。(最高裁第三小法廷、岡部喜代子裁判長。五人全員一致)
 問われたのは「監督責任」。監督責任の有無を判断する際に考慮すべき要件として、
1.患者との関係や日常生活での接触状況
2.本人の生活や心身の状況
3.患者との親族関係や同居の有無
4.介護の実態

をあげています。
 そのうえで、
「認知症患者と同居する配偶者というだけでは民法上の監督義務を負わない」
「家族と患者の関係などを総合考慮し、加害行為を防ぐための監督が容易な場合は賠償責任を負う場合がある」
「この家族の場合は、監督が困難で賠償責任が無い」
というのが、判決の骨子です。
 本件においては、概ね妥当な判決との印象があります。ただ気になる点もあります。
 本件では、男性の妻自身も要介護状態であったことと、息子は20年以上別居していたことが考慮されているのですが、逆に「同居して手厚い介護を行うと監督責任を問われるのではないか?」という不安を感じてしまいます。これでは、「自分が要介護になる」か、「親との同居はリスクが大きすぎる!」として、同居を忌避するようになるかもしれません。それでは困ります。
 また、被害者側のJRは結局「泣き寝入り」ということになります。相手がJRのような大企業ならまだしも、これが個人間の事故であった場合は悲惨なことになりかねません。
 やはり、何らかの公的な救済措置が講じられる必要がありますが、立法には時間がかかります。そこで、当座の自衛策としては個人賠償責任保険に加入する方法が考えられます。
 個人賠償責任保険とは、「個人またはその家族が日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合の損害を補償する保険」です。(一般社団法人 日本損害保険協会 損害保険Q&Aより)
 単独保険のほか、火災保険など他の保険に付随して契約される商品もあります。
 「被保険者」は基本的には「生計を共にする同居の親族」ですが、「生計を共にしない親族」や「同居していない親族」まで範囲を広げている商品もあります。複数の商品を比較して、「被保険者」や「補償の範囲」をよく確認してから、契約する必要があります。また、保険会社にも対象拡大の動きがありますので、要チェックです。
 詳しくは以下のサイトを参照してください。
http://soudanguide.sonpo.or.jp/body/q093.html
 

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