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軍縮が世界大戦の遠因となる皮肉。『ロンドン海軍軍縮会議締結』(昭和五年四月二十二日)

 今から86年前の今日、英国ロンドンにて、英・米・日・仏・伊五か国によって『ロンドン海軍軍縮会議』が締結された(仏・伊は部分参加)。主力艦(戦艦・空母)の保有について定めた『ワシントン海軍軍縮会議』(大正十一年二月六日締結)に次いで、巡洋艦以下の補助艦艇について定めたもの。
 会議のあらましはウィキペディアで、詳細は専門書で調べるとして、押さえておきたい点が一つある。それは、「軍縮会議は敵対する国同士で行うものである」ということ。同盟国同士であれば、互いに防衛努力(軍備増強)を促し合うものである。軍縮は敵国とやるものである。英・米・日・仏・伊の五か国は、本来第1次大戦では同盟国として戦ったはずである。それが、第1次大戦終結直後に「ワシントン会議」を行って軍縮を議題としたことは、すでに戦勝国同士で対立関係が生じていたことを意味する。これは重大だ。ドイツの復活と再軍備の可能性や、「世界に革命を輸出する」と嘯く共産主義国・ソ連の動向を警戒するべき同盟国同士で、なんと仲たがいを始めてしまったのである。
 それでも、「ワシントン会議」は過熱する主力艦の建艦競争に一定の枠をはめることで、国家財政の破綻を防ぐ効果はあったかもしれない。しかし、続く「ロンドン会議」で補助艦まで制限したのはまずかった。造船は裾野が広い産業である。鉄鋼・造機・電気機械など、様々な分野の企業が関わっている。補助艦艇まで制限され本格的な「海軍休日」になれば、新造艦艇の建造は激減する。それは造船不況につながりかねない。実際、「ロンドン会議」が世界中の造船関連株に影響を与え、それが前年(昭和四年十月)から始まった「ウォール街株暴落」に端を発する世界恐慌に拍車をかけたという説もあるぐらいである。(日本が「ロンドン会議」に参加を表明した段階で、既に株価下落の兆候が出ていたともいわれている。)
 世界恐慌がその後の第2次大戦につながっていくことを考えると、軍縮が戦争の遠因になったともいえる。「軍縮=平和」とは、単純にはいかないのである。皮肉と言うには苦すぎる話だ。

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(所謂条約型重巡洋艦「妙高」型2番艦、「那智」の竣工直後の姿。画像はウィキペディアの記事から転載させていただきました)


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