「鬼怒川水害」から1年。フジテレビ「決壊スクープ映像」が、新聞協会賞をとったことに一言。
鬼怒川水害(平成27年9月関東・東北豪雨。9月9日~11日)から1年がたつ。あの時、決壊した濁流で崩壊する家屋から流された人が救出された映像(フジテレビ、FNN)が、新聞協会賞を受賞したという。私も固唾を飲んで見守ったのだが、同時に危険な撮影だと思った。フジの映像だけではない。他社の映像もそうだが、救助中のヘリを上方から撮った映像が多かったが、あれは救助ヘリにとってはかなり迷惑な、いや、ハッキリ言って危険極まりない行為だったと思われる。なぜなら、救助活動中に何らかのアクシデントが発生した場合、その場を一旦離脱(ブレイク)する必要があるのだが、低空飛行時は上方へブレイクするのがセオリー。上方に取材ヘリが占位すると、ブレイクする方向が限定されてしまう。更に、ヘリが発する強力な下方気流(ダウンウォッシュ)が、救助ヘリの操縦に悪影響を及ぼしかねない。要救助者へのアプローチで、低空でホバリング中にダウンウォッシュに煽られたら、機体を立て直す間もなく即墜落である。フジの映像も、救助ヘリの直上は避けてるようだが、危ない感じがした。
災害時の報道ヘリに関しては、阪神淡路大震災のころから、「音がうるさくて被災者の声が聞こえない」とか、多数のヘリが押し寄せて、救助ヘリや物資輸送ヘリの飛行の邪魔になるなど、問題が多い。苦情を受けて、多少は改善の動きもあるようだが、緊急時にはもっと強力な航空統制が必要だと思う。報道の自由より、人命が第一だ!
(自衛隊の救難ヘリコプター2葉。上の機体は陸上自衛隊のUH-60JA。下の機体は航空自衛隊のUH-60J。準同型機である。救難ヘリのパイロットは、気流が不安定な冬山で、冗談抜きでヘリを「センチ単位」で幅寄せできる凄腕の持ち主。上図は陸上自衛隊公式サイト、下図は航空自衛隊公式サイトから、転載させていただきました)
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