ドイツ兵の顔が見えない『ダンケルク』。
休日を利用して、映画『ダンケルク』(Dunkirk クリストファー・ノーラン監督、ワーナーパイオニア作品)を観てきた。一言でいえば、今まで見たことのない戦争映画だった。
例によって、詳しい話はネタバレになるので簡単に説明する。
今作は第2次大戦初期のドイツ軍による電撃戦によって敗退し、フランス北部のドーバー海峡を望む港町ダンケルクに包囲されたイギリス遠征軍とフランス軍を救出する「ダイナモ作戦」(1940.5/6~6/4)を、撤退を待つ地上の兵士たちと、海を渡って救出に向かう小型船、上空援護に出撃した英国空軍(RAF)のスピットファイア戦闘機(1個小隊3機編成)という、陸海空の三つの視点から同時進行で描いている(途中時系列は前後する)。何しろ撤退戦、すなわち「負け戦」であるため、かってのハリウッド製戦争映画のような盛り上がりやエンターテイメント性は無い。出演する俳優もほとんど無名で、スター性も絶無。ともすればひどく地味な(かつ、悲惨なだけの)映画になりそうなのだが、異様な臨場感があって最後まで目が離せなかった。
特徴的なのは、敵側のドイツ兵の描写が無い!ドイツ軍の戦闘機メッサーシュミットBf109や、急降下爆撃機Ju87スツーカ等は出てくるが、パイロットは顔を出さない。冒頭の市街戦でも、ただ銃撃音と弾着のみでドイツ兵も戦車も出ない。ラスト付近でようやくドイツ兵らしきものが出てくるが、ヘルメットや銃は見えても顔がほとんど見えない。わざと映さないようにしてるようだ。ここらへんに、監督のメッセージがありそうである。
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