『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』(Tuntematon sotilas)を観てきた。
珍しいフィンランド映画、『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』を観てきた(公式サイト)。迫力ある戦争映画だった。
第2次大戦中、フィンランドは3つの戦いを経験している。
「冬戦争」(talvisota 1939.11.30~1940.3.13)
「継続戦争」(jatkosota 1941.6.25~1944.9.19)
「ラップランド戦争」(Lapin sota 1944.9~1945.4)
本作品は、「継続戦争」が舞台。フィンランドではベストセラーである作家、ヴァイニョ・リンナ氏の「無名戦士」が原作。冬戦争でソ連の侵略から辛くも祖国を守ったものの、カレリア地方など国土の約十分の一を失ったフィンランド。(ちなみに、バルト三国はソ連に併合)
そのフィンランドが、独逸の「バルバロッサ作戦」に呼応して、失地回復を図って発起したのが、「継続戦争」である。
映画タイトルの「アンノウン・ソルジャー」(unknown soldier)とは、無名戦士のこと。副題にも「英雄なき戦場」とあるのだが、実際のフィンランド軍には、英雄と呼ばれるべき人物が幾人も居た。無傷の撃墜王や凄腕スナイパー、英雄というより異能者というべき存在(こちら)までいたのだが、この映画には有名人は出てこない。本当に無名の、普通のフィンランド人の男たちの戦いが描かれている。原作のヴァイニョ・リンナ氏が自らの経験をもとに記しただけに、リアルな戦場生活がここにある。そこがまず素晴らしい。
また、ともすれば祖国防衛の英雄譚になりそうなところ、軍隊の持つ汚い側面もきちんと描いているところも好感が持てる。登場人物たちを、単純にヒーロー扱いしないところもいい。本当に、普通の人たちなんだよ、彼らは。そんな彼らが、美しい森と湖の国で戦う姿。こんなきれいな世界でも人殺しする理不尽さ、地続きの国における国境線死守とはどういうものか、奪われた領土を取り戻すとはどういうことか(北方領土問題を抱える我々にも無関係ではない)など、見るべき点は多い。
詳しい内容はネタバレになるので、これ以上は記さないが、ぜひ劇場でご覧いただきたい。自信を持ってお勧めできる一篇である。
http://unknown-soldier.ayapro.ne.jp/
(演出家・映画監督の、押井守氏も絶賛!~プログラムのコメントより引用)
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- ぐるナイ・ゴチ22、新メンバーはこの二人・・・誰?(2021.01.21)
- 栄枯盛衰夢の内(2021.01.15)
- NYダウは史上最高値で2020年の取引を終えた。(2021.01.02)
- 今年観た映画ベスト10(※個人の感想です!)(2020.12.31)
- 令和二年大納会。31年ぶりの高値で、年内取引終了。(2020.12.30)
「歴史・史実」カテゴリの記事
- 1月18日は「118番の日」(2021.01.18)
- 阪神淡路大震災から26年。(平成7年1月17日)(2021.01.17)
- 1月14日は、「尖閣諸島開拓の日」。(2021.01.14)
- 恩讐の彼方・・・真珠湾攻撃から79年。(昭和十六年十二月八日)(2020.12.08)
- Today is Veterans Day. (by Snoopy)(2020.11.12)
最近のコメント