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米国初の、大統領

 アメリカ大統領選挙、どうやらオバマ氏の勝利らしい。

 ところで、今日配信の日経ビジネスオンラインに、「(当選すれば)オバマ氏は初の黒人大統領であると同時に、軍歴を持たない初の大統領ということになる」という記事がありました。世界最強の軍を一度も軍服に袖を通したことのない大統領が指揮することができるのか、今後のオバマ大統領の手腕が問われるでしょう。

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侵略戦争とは

 ニュースによると、現職の航空自衛隊幕僚長だった田母神と言う人物が懸賞に投稿した論文がもとで、幕僚長を解任されたと言う。

 ところで、戦争は必ず当事国(勢力)の一方が、「戦争計画」に従って、相手国(勢力)に第一撃を放つことによって始まる。国境付近での小競り合いがエスカレートして大戦争になることはない。(小競り合いを演出すること自体が作戦計画に組み込まれてる場合は別)

 侵略戦争を判定する基準は、1927年8月27日に締結された『パリ条約』(Pact of Paris)である。同条約は戦争の放棄を唱っているが、具体的には同条約批准国が「第一撃」を放つことを禁じている条約と言える。裏を返せば、同条約批准以降、戦争の第一撃を放った国が「侵略者」である。(日本は、昭和4年7月24日、同条約を批准している)

 では、上記の考えを日中戦争に当て嵌めてみよう。日中戦争は周知の通り昭和12年8月13日、日本海軍が上海租界に駐留させていた上海特別陸戦隊、及び在留邦人に対し、蒋介石率いる中国国民党軍が攻撃を開始したときに始まる。それ以前の日中間の軍事衝突が、いずれも現地部隊間の小競り合いであったのに対し、この時の国府軍は明確な作戦計画に従って、第一撃を放ったものである。故に、日中戦争は中国国民党政府による侵略戦争であった。

 一方、太平洋戦争はどうか。この場合、第一撃を放ったのは日本である。日本は作戦計画に従って機動部隊をハワイへ、また南方に陸軍部隊を送り、昭和16年12月8日、米英両国に対し先制の第一撃を放った。すなわち、太平洋戦争とは、日本による侵略戦争に他ならない。戦後、東京裁判で問われた「平和に対する罪」とは、日本によるパリ条約違反を咎めるものであった。

 それにしても、陛下の御名御璽を戴いて締結・批准した国際条約を、真珠湾攻撃の為に簡単に反故にして見せた海軍と、それを止められない政府の責任は、大いに責められてしかるべきだろう。

 田母神氏の主張は、日中戦争に関しては正解だが、太平洋戦争に関しては誤りである。

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埼玉県の県立高に爆破予告?!

衝撃のニュースが配信された。以下は共同通信より配信されたニュース。

「27日午前7時45分ごろ、埼玉県越谷市の県立越谷北高校に、男の声で「爆弾を仕掛けた。10時に爆発する」と電話があった。同校は生徒に爆破予告があったことを伝えて、全員帰宅させ、越谷署に通報。校内を捜索したが、不審物は見つからなかった。同署は威力業務妨害の疑いで調べている。同校などによると、男性教諭が電話に出て校名を告げると、男が早口で一方的に話し電話を切ったという。」

 このニュース、何が衝撃的かと言えば、事件の舞台になった埼玉県立越谷北高校が我が母校であること。まさか母校がこんな形でニュースになるとは・・・びっくりしたな、もうshock


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今日は何の日?

 本日、平成20年10月1日以降、上場されていない(取引相場の無い)企業、つまりほとんどの中小企業の株式の相続に関して、大幅な納税猶予処置が取られます。

 「平成20年度税制改革」http://www.mof.go.jp/seifuan20/zei001_a3.htmのなかで、『(備考)事業承継税制』として、平成21年度税制改正における「取引相場の無い株式等に係る納税猶予制度」に関しては「中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律」の施行日以降の相続に遡って適用すると規定されています。

 そして、「事業承継円滑化法」(平成20年5月9日成立、同年10月1日公布)の施行日が、まさに今日なのです(同法・附則第1条)。

つまり、今日以降、中小企業の株式を相続し、事業を承継する者に関しては、相続税の納付が最大80パーセント猶予される可能性があるのです。これはかなり大きい!

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パートタイマーの有給休暇

今朝の朝刊1面の下段、週二回のペースで「木田修の1分労務講座」と言うコーナーが載っている。筆者の木田修氏は建設労務管理指導センター所長で、社会保険労務士の資格をお持ちです。

 今回(通算50回目)のテーマは「パートにも有給休暇を与えなければならないのか」と云うものです。答えは「はい、パートの従業員にも一定の条件で有給を与えなければいけません」です。

 以下、記事から引用させて頂きます。(「 」内、記事から引用)

 「労働基準法の定めにより、これらの人々(パート従業員)に対しても、1週間の所定労働時間が30時間以上または1週間の所定労働日数が5日以上の人には、一般の社員と同じ日数の有給休暇を与えなければならないと定めています。」   ※( )内は注釈

 上記の根拠となるのは、労働基準法第39条(年次有給休暇)、及び労働基準法施行規則第24条の三(パートタイム労働者等の年次有給休暇日数)の規定です。お手元に六法全書がある方は、ご覧になって確認してみてください。

 さて、所定の労働時間または日数以下のパートさんの場合ですが、記事はこう続きます。

 「・・・また1週間の所定労働時間が30時間未満で、1週間の所定労働日数が4日以下(年間216日以下)の人に対しては、次表の有給休暇を与えなければなりません。」として、所定労働日数の少ないものに対する年次有給休暇の付与日数の表が記載されています。

 この「表」と同じ内容のものが六法全書の労働基準法施行規則第24条の掲載ページに記載されてますので、確認してみてください。(私の手元にある『三省堂新六法2007』では、918ページにあります)

 例えば、週労働日数が1日だけのパートさんでも、勤続6か月以上1年6か月未満なら有給休暇を1日与える事が定められています。週3日のパートなら、同じ勤続年数で5日間有給がもらえる計算になります。

 このように、勤続6か月以上のパート従業員に対しては、その条件に応じて有給休暇を与える事が定められています。もしパート従業員の方で、急に休みを取る必要がある場合、雇用主に有給休暇を申請する事は労働者の当然の権利です。

(『建通新聞』 東京版 2008年8月20日号 「木田修の1分労務講座」)より

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「行方不明者を捜せ!」

今朝の新聞(建通新聞7月23日)にこんな記事がありました。

 『行方不明者を探せ!』

 「鹿島旧本社ビル解体現場で災害救助犬訓練実施」

 記事に拠りますと、去る7月20日、東京港区元赤坂の鹿島旧本社ビルの解体工事現場で、災害救助犬による捜索訓練が行われたそうです。

 訓練を行ったのは、NPO法人日本救助犬協会に所属する「救助犬チームさくら」。鹿島の協力で解体現場を提供してもらい、過去数回実践的な救助訓練を行っているそうで、今回はメンバー20人と16頭の救助犬が参加、一頭づつ薄暗い解体現場(周囲は防音パネルで遮蔽)に入って行方不明者の捜索を行った。

 訓練は、救助犬とペアを組むハンドラーから「捜せ!」の指示を受け、当該フロアーを何度も何度も行き巡り、行方不明者(役のメンバー)を発見すると、大きく吠えてハンドラーに知らせると言う内容。実際の災害現場では、救助犬の能力だけではなくハンドラーの判断力も救助の成否に大きく関るそうで、人犬一体となって厳しい訓練が繰り広げられた模様。

 このような訓練に、ビルの解体現場はまさにうってつけ。日本救助犬協会本部では、訓練に使えそうな解体現場を貸してほしいと協力を呼び掛けているそうです。心当たりのある方は、下記までご連絡ください。

NPO法人日本救助犬協会 本部

電話 03-3385-3451

URL  http://www.kinet.or.jp/kyujoken/

チームさくら 

URL http://www.geocities.jp/sakura_jrda/index.html

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動物取扱業登録申請の変更

「平成20年7月1日より、動物取扱業登録申請等の添付書類が増えました」。

平成20年4月1日の「動愛法」一部改正に伴い、本年7月1日より動物取扱業登録申請に必要な添付書類が変更されました。
 新たに、「事業所及び飼養施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権限を有すること証する書類」が必要とされます。平たく言うと、「このお店(建物)と土地は、私のものです」あるいは、「きちんと大家さんから借りてるものです」と証明できる書面を添付しなければなりません。
 具体的には、施設等を自己所有の場合
  ・土地・建物の「登記事項証明書」
  ・自己の物件であることを証する「自認書」
 賃貸物件の場合
  ・「賃貸借契約書」の写し
  または
  ・「使用承諾証明書」が必要です。

 これから「新規登録」をされる方、既に登録済の方が「変更届」「更新申請」などをする場合には、証明書類の添付が義務付られます。もし、添付されないときは、申請が却下される危険があります。動物取扱業の申請を検討中の方は、お気を付けください。

問合せ先 東京都福祉保健局 東京都動物愛護相談センター
URL http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/oshirase/kengen/index.html

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建設業関連助成金制度

昨日受講してきた講義の補足

◎ 建設業関連助成金制度

 実施主体 独立行政法人 雇用能力開発機構 http://www.ehdo.go.jp/tokyo/center/index.html

目的 建設業の事業主、団体に対する助成金の支給。

支給対象 ・雇用保険料率18/1000の中小建設事業主。

        (15~17/1000の許可業者でも一部利用可)

       ・労働保険料を過去2年を超えて滞納していない事。

       ・過去三年以内に不正な助成金支給を受けていない事。

建設業関連助成金の種類

 1.建設教育訓練助成金

 2.建設事業主雇用改善推進助成金

 ◎ 建設教育訓練助成金について

    有給で訓練・実習等を受講させた場合支給

    (1)認定訓練

      建設関連の認定訓練受講に際し支給

      助成額:人件費1人1日4,400円又は7,000円

    (2)技能実習

      自社又は指定登録教習期機関での受講に対して

      助成額:受講料の70%支給

           又は1日13万円(20万円)×20日分

    (3)通信教育訓練

      機構が指定する通信教育を受講させた場合

       (例 建設業経理事務士)

      助成額:受講料の2分の1、1人10万円が限度

    (4)受講援助

      富士教育センター、三田研修センターへの旅費補助

      助成額:旅費の2分の1

  ・建設教育訓練助成金の支給手続き

    (1)(3)(4)に関しては、訓練実施後1か月以内に支給申請

    (2)技能実習の場合

     ・「建設工事における作業に直接関連する実習」及び

      「労働安全衛生規則に定める特別教育」の場合

      ⇒実施2週間前までに認定申請

        &訓練実施後2か月以内に支給請求

     ・「労働安全衛生法に定める教習・技能講習」の場合

      ⇒訓練実施後2か月以内に支給請求

 ※手続きは意外に簡単。詳しくは機構へお問い合わせください。

   独立行政法人 雇用・能力開発機構 東京センター業務第1課

           電話 03-5638-2281

   http://www.ehdo.go.jp/tokyo/center/index.html

     ※ 申請書、記入例ともダウンロード可

 ◎ 建設事業主雇用改善推進助成金について

    雇用改善の為、「雇用改善実施計画」を作成・実施した場合

    支給される

    限度額は200万円

    (1)雇用管理責任者の選任・配置

    (2)建設労働者の募集採用を円滑に行うための取組

       ※求人広告等も対象になる

    (3)高年齢労働者・女性建設労働者の活躍を推進する取組

       ※永年勤続表彰制度の実施等

    (4)魅力ある職場作りのための取組

       ※飯場にシャワー、入浴施設を設置する等

    (5)期間雇用労働者の雇用改善

       ※期間雇用者に対する健康診断の実施等

    (6)雇用管理改善のための社労士等の活用

       ※社会保険労務士によるコンサルティング

  ・支給手続き

    事業主の方が年間の「雇用改善実施計画」を作成し、

    受給資格の認定申請を提出する。

    (原則5月末までに提出)

   ※平成20年度に限り、5月末を越えても申請可能

   

 ◎ 東京センタ-実施 「雇用管理研修

    雇用管理責任者を対象とする研修

   普通コース

     実施日:10月3日(金)、11月7日(金)、12月5日(金)

          平成21年 2月6日(金)

     時間 : 9:00~17:00

     場所 : アビリティガーデン(墨田区江東橋2-19-14)

     受講料:無料

     申込方法 :申込期間内にWebにて

   http://www.ehdo.go.jp/tokyo/center/index.html

   専門コース

     実施日:9月5日(木)、平成21年 3月6日(金)

     時間     普通コースと同じ 

     場所     同       上

     申込方法  同       上

以上 詳しい情報は下記にお問い合わせください

・独立行政法人 雇用・能力開発機構 東京センター 業務第1課 

・電話     03-5638-2281

・ファックス  03-5638-2296

・URL http://www.ehdo.go.jp/tokyo/center/index.html

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トルコ大統領初来日

 トルコ共和国のアブドゥッラー=ギュル閣下及び令夫人が、初来日されると言う。予定では今日から8日まで滞在され、その間和歌山県串本町を訪問され、同地にある軍艦エルトゥールル号沈没事故の受難者記念碑に詣でられるという。

 トルコは貴重な親日国家であり、アジアと欧州を結ぶ戦略上の要地を占める地域大国でもある。本来国を挙げて大歓迎してしかるべきだと思うのだが、なぜかほとんどニュースになってない。残念なことだdespairにほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ

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ペット信託

※以下の記事はJIMOTに掲載したものです。

 新信託法では、受益者の存在しない「目的信託」という信託が、広く有効に成立することとされました(新信託法258~261条)

 従来は「公益信託」(委託者が公益目的の為に財産を受託者に信託し、受託者は公益目的のためにのみ信託財産を管理・運用・処分する、祭祀等一定の公益目的に限定)にしか認められていませんでした。

 しかし、新信託法によって明確に受益者が特定されない信託設定も有効と認められました。ただし、普通の受益者が特定されている信託に比べて監視・監督機能の強化が図られており、特に遺言信託で目的信託を設定する場合、「信託管理人」を指定してきちんと管理させることが定められています(新信託法258,260条)。

 また、目的信託の存続期間も20年までと限定されます(同法259条)。

 

 さて、この目的信託はどのような活用方法が考えられるでしょうか。

ケース1:由緒ある屋敷を記念館に

 高名な作家のアトリエや執筆に使った家屋敷を、その死後に記念館として保存してもらうことを目的に、信託することができます。この場合、明確な受益者と云うものが存在しませんので、目的信託の一種と言えます。

ケース2:将来の「後継者」のために

 例えば、まだ未成年(あるいは生まれていない)孫の中で、自分の事業を継いでくれるものの為に一定の財産(不動産、自社株等)を信託することも可能です。この場合、信託設定時点ではまだ特定の受益者が確定してませんので、これも目的信託の一種と言えます。

 ところで、アメリカでは自分の死後に残されたペットの世話をさせることを目的とする「ペット信託」と云うものがあるそうです。

 日本において、自分の死後にペットの世話を頼みたいと思った場合、「負担付遺贈」(民法1002条)でペットの世話を条件に一定の財産を遺贈するか、「負担付死因贈与」(民法553,554条)と言う形で契約を結ぶ方法が考えられます。ペットに直接遺産を残せればいいのですが、動物は権利主体となれませんので現行法下では不可能です。あくまで世話をしてくれる「人」(法人含む)に財産の一部(又は全部)を「遺贈」するなり「死因贈与」するなりして、代わりにペットの世話を頼むという形にせざるをえません。

 目的信託を用いれば、自分の死後のペットの世話を目的とする遺言信託を設定できる可能性があります。具体的には「自分の財産をすべて猫のクロの世話に充てて欲しい。信託管理人として、懇意にしてるペットシッターの何某を指名する。クロ亡き後、残った財産は動物愛護団体に寄付する」と言う内容の遺言信託を設定します。

 この日本版「ペット信託」、実現の可能性はどれほどのものでしょうか?

 実は数か月前、国内の大手信託銀行数行にアンケートを行ったのですが、結果は芳しくありませんでした。寄せられた回答は「一応理論的には可能だが、当行では扱う予定は無い」と言うものでした。理由は「商売になりそうにない」と言う事です。ネックになるのは信託財産の額が銀行として真剣に検討するに見合うものとなるか分からないことと、受け皿になる「信託管理人」が信用できるのかという問題、それに、信託銀行としてはペットの世話のチェックなど業務として出来ないということでした。

 では、「ペット信託」を実現させるにはどうすればいいのでしょうか?結局「商売」として成立するには、それに見合う財産が信託されねばなりません。昨今、ペットだけが同居人と言う身寄りのない(法定相続人もいない)老人は少なくありません。ある程度資産のある老人が、「自分の死後、国庫に入るぐらいなら」と億単位の資産を信託すると申し出れば、信託銀行も目の色変えることでしょう。

 受け皿整備として、例えば大手のペットショップやペット保険会社、あるいは法人格のある動物愛護団体が受託者になることも考えられます。その場合、信託事務のうち信託財産の管理は信託銀行に委ね、それ以外の事務(ペットシッターや獣医との契約、ペットの飼育状態のチェック等)を行うというやり方が考えられます。新信託法では、信託事務処理を第三者に委託することを認め、その責任についても規定しています(新信託法28条)ので、財産管理は専門家である信託銀行に委託する方が無難です。

 これから益々少子高齢化が進む一方で、ペットを家族同然に扱う人が増えています。「ペットに財産を遺したい」という考えは、多くの飼い主に共有されている事と思われます。「ペット信託」に対する将来的なニーズは大きいです。

以上で新信託法に関する話はお終いです。

参考文献:「これならわかる 新信託法と税務」 奥村眞吾 清文社 

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新信託法の活用法 その3

※以下の記事はJIMOT掲載記事の転載です。

 「自分の財産を誰に承継させるか?」

 従来は「遺言」によって「相続分の指定」や「分割の指定(禁止含む)」、「遺贈」等を行うことで、誰に何をどれだけ残すか決めてきました。

 しかし、遺言では「家祖伝来の土地は長男へ、長男亡き後はその息子へ、その後は・・・」と云うように何代も先まで相続人を指定することはできません。

 新信託法では、受益者が死亡するとその受益者の受益権が消滅し、他のものが新たに受益権を得て受益者になる、そのような設定が可能な信託が創設されました。

 これが後継ぎ遺贈型の「受益者連続信託」です。この制度を用いれば、複数の受益者が順番に受益権を得ることができます。例えば、以下のような活用法が考えられます。

・土地や家(不動産)を子孫に残したい

 Dさん(70)は自分の死後、自己名義の土地とそこに建つ自宅を妻に残そうと思っています。妻の死後は長男に、その後は長男の子にと、着実に財産が承継されることが望みです。しかし、単純にその旨を遺言書に書いても、それは無効だと法律相談で指摘されました。ではどうすればいいのか?Dさんは、遺言信託で後継ぎ遺贈型の受益者連続型信託を設定すれば、希望通りの財産承継が可能ですよと教えられ、検討してみる事にしました。

 このケースでは、「Dの死後はその妻(第一次受益者)に、妻の死後は子(第二次受益者)に、子が死んだら孫(第三次受益者)を受益者とする」と言う設定で信託契約が結ばれます。信託は設定年限が30年となっていますが、受益者連続型信託では特例として、「30年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。」(新信託法91条)こととされ、30年経過した時点における受益者(例えば孫)の子供(ひ孫)の死亡時まで、信託が存続します。(但し、信託設定後30年時で出生しているものに限ります)

 従来、遺言によっては子や孫の代まで遺産承継を規定することはできませんでしたが、受益者連続型信託を設定すればそれが可能になります。遺言信託のほか、生前信託や遺言代用信託でも設定可能です。

次回は日本における「ペット信託」の可能性について検討します。

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新信託法の活用 その2 「親なき後」問題

※以下の記事はJIMOTに掲載したものです。

知的障害、または精神障害のある子供を持つ親にとって、最大の悩みは「自分が死んだあと、子供は生活していけるのか?」と言うことです。

 自立困難なわが子に、自分の死後相続財産が渡っても、財産管理ができないのではせっかくの相続財産も散逸してしまいます。そのような不幸な事態を防ぐ方法として、信託の利用が考えられます。以下、2つのケースで検討してみます。

ケース1 Bさん(70)の場合 遺言信託の活用

 Bさんの家族構成は妻(63)と長男(40)と二男(33)。二男は独立しており、妻子がいます。

 Bさんの長男は知的障害があり自立は困難です。Bさん自身は齢70にしてまだ矍鑠としていますが、古希を迎えてさすがに先々のことが心配になってきました。中でも最大の問題は長男のことです。もし自分が死んだあと、長男に相続財産が渡っても、到底管理できません。悪徳商法の被害にあって、財産を騙し取られてしまうかもしれません。

 そこで、Bさんは自分の死後長男の生活費がきちんと支給されるように、遺言契約で信託を設定します。事業で付き合いのある行政書士と取引先の銀行の信託部門に相談して、公正証書遺言を作成し、同時に銀行と信託契約を結びます。銀行が受託者、長男が受益者で、行政書士は遺言執行者に指定されます。信託指図人はBの妻とし、Bの死後は妻が長男の為に必要な信託財産の交付を銀行に指図する。もしBの妻が死んだ後は二男が指図人となり、長男の死後は二男に信託財産の残余部分を帰属させると言う内容です。

 このように信託契約を結ぶことで、財産は受託者(この場合は銀行)によって管理され、身近な親族である妻や二男が長男の必要に沿って財産を活用してくれます。もし、妻や二男が勝手に財産処分を行おうとしても、銀行が「信託契約の受託者に課せられる善管注意義務」に従ってチェックを入れますので、無茶なまねはできません。こうして、長期に渡る長男の介護を行うための経済基盤が確立されます。Bさんもひとまず安心と言ったところです。

ケース2 Cさん(76)の場合 「特別障害者扶養信託」の活用

 Cさんの長女(38)は障害者です。Cさんは自分の死後、残された長女の行末が心配です。そこで、長女の生活費を確保するため、財産の一部を信託することにしました。しかし、Cさんが生前に長女を受益者とする信託契約を結んだ場合、「贈与税」が課せられます。課税は贈与額が1000万円を超える部分につき50パーセントもかかります!これではたまりません。

 そこで、Cさんは「特別障害者扶養信託」と言う制度を利用することにしました。この制度を用いれば、信託受益権のうち6000万円までは贈与税がかかりません。

 「特別障害者扶養信託」とは、特別障害者の父母等の死後、残された特別障害者の生活の安寧を保つことを信託目的とし、親族や篤志家が受託者(信託銀行など)に金銭や不動産を信託し、「特別障害者扶養信託契約」を結ぶことで成立する信託制度です。

 通常、委託者と受益者が異なる「他益信託」を設定した場合、受益者に贈与税が課せられるのが原則ですが、「特別障害者扶養信託」においては、「障害者非課税信託申告書」を提出することで信託受益権のうち6000万円までは贈与税が非課税となるのです。

 さらに、通常の年間基礎控除額110万円分を加えれば、最大6110万円まで非課税となります。そのうえ、「相続税清算課税制度」を活用すれば、より多くの財産を残してあげられるほか、贈与税額の圧縮も期待できます。

 このように信託制度を上手に活用することで、「親なき後」も残された障害のある子供の生活を、金銭面で支えることができます。

次回は、「後継ぎ遺贈型」受益者連続型信託について考察します

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新信託法の活用 その1 自分がボケてしまう前に

※以下の記事はJIMOTに掲載した記事に加筆・修正したものです。

 大正11年に制定された「信託法」はその後数次に亙って小規模な改正を重ねてきたものの時代の流れについていけず、平成17年より全面改定に向け作業が始まり、平成18年12月8日に臨時国会で可決承認され同15日に公布されました。

 

 大改正された信託法(以下「新信託法」)、具体的にどのような活用法があるのか述べてみたいと思います。

1. 自分の財産を管理・保全するために(+「任意後見契約」)

 例:マンション経営者 Aさん(74)の場合。

 東京都台東区在住のAさんは、浅草駅にほど近い好立地にマンションを所有し、賃貸家賃と一階部分のテナント料収入(コンビニと喫茶店)で十分に生計を立てています。しかし、寄る年波には勝てず、肉体の衰えを自覚すると共に記憶力についても不安を覚えています。

 妻は既に他界しており、息子たちは独立していますが、兄弟仲が悪くとても自分の財産管理を任せられません。このまま精神的にも肉体的にも衰えきってしまったとき、どうすべきか不安に思っています。

 上記のような場合、認知症になって完全に判断能力(事理弁識能力)を失う前に、財産管理のために適切な対策を講じておく必要があります。その手段の一つが信託制度の活用です。

 ここで、信託制度について簡単に説明しましょう。

 「信託」とは、他者の為に財産を預かり、管理・運用・処分する制度です。

 「信託制度」は、「委託者」(財産をもってる人)が自分で財産を管理せず、契約または遺言でこれを他者(「受託者」と言う)に委ね、自己に代わってこれを管理・運用・処分させる制度です。「受託者」(信託銀行、信託会社等)によって「信託財産」(預けられた財産)が運用・処分されることで益を得る人間を「受益者」と言います。「受託者」は「受益者」の為だけに「信託財産」を管理し、適正にこれを運用し、あるいは処分を行います。

 この「信託財産」に関する権利・義務は原則として「受託者」に委譲されており、「委託者」の債権者や相続人と言えども勝手に手を出すことはできません。

 上記の「信託制度」の性質を理解したところで、これをAさんに当て嵌めてみましょう。

 Aさんは、頼みにならない息子たちに代わって、信託会社(受託者)と信託契約を結び、自己所有のマンションを信託財産、受益者をAさん自身に設定します。

 信託の目的は、Aさんが認知症となり判断能力を喪失(もしくは著しく低下)した後に信託財産を管理・運用し、Aさんの生活費及び身上介護費等に必要な資金を定期定額(毎月○○万円)に交付させ、また急な入院等突発的な出費に対しては、随時交付させることとします。

 そのため、Aさんがボケてしまう前は自分の指図どおりに財産を管理・処分できます。認知症が発症した後は、信託会社がAさん(委託者であると同時に受益者)の為に信託財産を管理・運用・処分します。息子たちや悪徳不動産業者が手を出すことはできません。

 Aさんは、財産管理を信託会社に委ねる一方、徐々にボケが進んでしまったときの用心として、生活面の見守り、身上介護の為の諸契約の締結、交付される資金の管理などを目的とする「任意後見契約」を信託契約と同時に結びました。その際、任意後見契約の受任者を、同時に「信託財産指図人」に指定しました。信託財産指図人(以下、指図人)は、判断能力の衰退したAさんになり替わり、Aさんの必要に応じて信託財産を交付するよう、信託会社に指図できます。一方、信託会社の方は、信託契約の受託者として信託財産の管理につき「善管注意義務」を有します。したがって指図人の指示と言えどもそれが妥当なものかチェックした上で、信託財産の交付・処分等を行います。そのため、指図人が信託財産を横領することを掣肘することができます。

 このように信託契約と任意後見契約をミックスすることで、より安全かつ委託者の希望に沿った身上監護等を得ることが可能になります。

次回は 知的障害を持つ子どもの「親なき後」問題について考察します

以上がJIMOTからの転載です。

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経審大改正 最終回

※以下の記事は、JIMOTに掲載したものを再録したものです。

W(社会性等)に関して、特に中小の建設業者の社会性等をより的確に(差がつき易いように)評価出来るように、労働福祉の状況、防災活動への積極的参加、営業年数など信頼性や地域社会への貢献度を評価し、かつ評点幅を改正前の0~987から0~1750へ拡大することで、評点に違いが出やすいようになっています。

 また、法令遵守(コンプライアンス)の重要性が指摘される昨今の情勢を反映して、法令遵守の状況が新たに評価項目に加えられてもいます。社会的責任をきちんと果たしてる企業を高く評価しようと言うのがW点改正のポイントと言えます。

 具体的な評価項目に関して、改正前は「労働福祉の状況」、「工事の安全成績」、「建設業の営業年数」、「公認会計士等の数」、「防災活動への貢献の状況」の五つを採用してましたが、改正により「工事の安全成績」と「公認会計士等の数」が項目から外れ、新たに「法令遵守の状況」、「建設業の経理に関する状況」、「研究開発の状況」が加わり合計6つの項目で評価されることとなりました。

・労働福祉の状況(W1)

  改正目と同じ項目。ただし、評価の細目として改正前あった「賃金不払件数」が自己申告項目を排除するため廃止され、「退職一時金」と「企業年金」が統合され「退職一時金もしくは企業年金制度の導入」となるなど、整理されている。また、全体に加点幅・減点幅が大きくなり、保険金未加入で-30点がつくとW全体にマイナスの影響が出る!。

・建設業の営業年数(W2)

  上限35年、下限5年は改正前と変わらず。加点幅が30から60に引き上げされる。→雇用の創出等、地域への長年の貢献を評価。

・防災活動への貢献の状況(W3)

  防災協定の有無を評価。改正前と評価内容は同じだが、加点幅が3から15へ引き上げられる。→地域社会への貢献を評価。

・法令遵守の状況(W4)

  今回新たに加わった項目。建設業の営業に関し不正行為等を働き、建設業法による監督処分等ペナルティを課された企業を減点評価する。営業停止処分は-30点、指示処分で-15点。建設業法以外のペナルティは対象外。

・建設業の経理の状況(W5)

  改正前の「公認会計士等の数」(10点)に加え、新たに「監査の受理状況」として監査法人または公認会計士の監査を受けると20点、会計参与の設置で10点、社内の有資格者(建設業経理士1級等)によるチェックは2点、加点評価される。→経理の信頼性の向上、虚偽申請の防止

・研究開発の状況(W6)

  まったく新しい評価項目。評価の対象になるのは会計監査人設置会社に限定され、公認会計士協会の指針等で定義された「研究開発費」を加点評価する。

以上です。rain

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経審改正 Z(技術力)について

※以下の記事はJIMOTからの再録です。内容の方はと言うと・・・釈迦に説法ですね。coldsweats01

 Z(技術力)に関して、改正前は技術職員の数(業種別)で評価していました。技術職員の区別として、一級技術者、二級技術者及びその他の三種に区分し、一級技術者には5点、二級技術者には2点、その他1点として下記の要領で技術職員数値を算出してました。

   技術職員数値=一級技術者数×5+二級×2+その他×1

 それに対し、「単に技術職員の人数だけを評価するのではなく、各人の能力、資格、継続的学習への取組などを反映したきめ細かい評価をすべきである」と言う意見や、「公共工事の元請に求められるマネジメント能力も評価に加えるべき」との声があった。

 そこで、今次改正では

①建設業者ごとに得意分野を適切に評価するため、技術者の重複評価を一人2業種までとする

 ②職員区分に新たに「基幹技能者」を加え、一人3点とする

 ③1級技術者が「監理技術者」講習を受講している場合加点評価する(6点)

 ④元請のマネジメント能力を評価するため、新たに「元請完工高」評価項目に加える。

 以上のように変更されました。計算式は以下のとおり

 技術職員数値(改正後)

  =一級監理受講者数×6+一級技術者(未受講)×5+基幹技能者×3+二級×2+その他×1

 元請完成工事高   二期平均(又は三期平均)の額

 ※1 技術者数と元請完工高を其々数値化し、合算して評価する。

    技術者数と元請完工高の評点バランスは、4:1とする。

 ※2 評点テーブルを、階段式から線形式に改める

 ※3 ウェイトを0.2から0・25へ引き上げる

↑以上で再録終了。

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経審大改正 Y指標について

※以下の文章はJIMOTに掲載した記事の再録です。

Yに関しては、改正前と改正後で比較すると、ウェイトは0.2と変わらず、評点幅も改正前は0~1430点、改正後0~1595点とあまり変わりません。その代り、評価の内容ががらりと変わりました。

 改正前の評価項目として、「売上高営業費率」「総資本営業利益率」「キャッシュフロー対売上比率」「必要運転資金月商倍率」「立替工事高比率」「受取勘定月商倍率」「自己資本比率」「有利子負債月商倍率」「純支払利息比率」「自己資本対固定資産比率」「長期固定適合比率」「付加価値対固定資産比率」、以上12項目ありました。これら改正前の評価項目に対して、「小規模・零細企業間で評点分布の幅が大きく、企業実体に合わない過大評価がなされてしまう」、「固定資産に関する評価項目が3つもあり、結果的に固定資産がほとんどないペーパーカンパニーに有利」、「建設機械を自社で所有する(レンタルしない)と評点が下がるのは間尺に合わない」、「有利子負債がマイナス評価されてしまうと、新規事業開拓に思い切った先行投資ができない」、「完成工事未収金が多いとマイナス評価になるが、こと公共工事債権に関しては回収が確実なのだから評価から外すべきだ」等の批判がありました。

 そこで、今次改正において従前の評価項目12のうち、「自己資本比率」「純支払利息比率」「自己資本対固定資産比率」の3つを残して他は廃止し、新たに「負債回転期間」「売上高経常利益率」「総資本売上総利益率」「営業キャシュフロー(絶対額)」「利益剰余金(絶対額)」の5項目を加え、全8項目としました。

 改正により固定資産に関する項目が3つから1つになり、固定資産を持たない零細事業所や全くのペーパーカンパニーが高得点を挙げる事は難しくなります。また、「有利子負債月商倍率」を評価項目から外し、有利子負債を売上高に対する支払利息の水準(「純支払利息比率」)で評価することで、売上高に対し支払利息が適切な水準にある限り、極端に不利に働くことは無くなりました。完成工事未収金に関する評価項目は廃止され、未収金の多寡によって評価が上下することもなくなります。

 新指標の導入により、①負債抵抗力(「純支払利息比率」「負債回転期間」)、②収益性・効率性(「総資本売上総利益率」「売上高経常利益率」)、③財務健全性(「自己資産対固定資産比率」「自己資本比率」)、④絶対的力量(「営業キャッシュフロー」「利益剰余金」いずれも絶対額評価)につき、適正な企業の評価が期待されます。

以上で記事終わり。続きはJIMOTにありますので、暇な方はログインしてみてください。

JIMOT URL http://www.jimot.com/

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経審改正 X2について

※以下の記事はJIMOTに掲載した記事の再録です。

改正前のX2の評価項目は①自己資本額÷完工高、②職員数÷完工高でしたが、改正後は①自己資本額(=純資産額)と②EBITDAの2本立てとなります。

 改正前は職員数を評価の対象にしてましたが、今回の改正では職員数は評価対象から外されました。その理由として、改正前の評価に対して「職員数を完工高で割った値を評価するやり方は、企業の生産性向上を阻害する(人員整理による合理化が不利に働く)」という指摘があり、今回それに応える形で改正がなされたわけです。

 実際、完工高が同じなら職員数が多い方が評点が高くなる改正前の評価法では、生産性の向上は評点に反映されません。また、全職員ではなく、現場で重要な「技術者」の数なら、Zにおいて評価対象となっているから、重複を避けるためにもX2の評価から外したわけです。

 もっとも、リストラを奨励してるわけではないそうですが・・・

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JIMOTの続き

※以下の記事はJIMOT掲載記事の再録です

今回X2の評点項目に加えられたEBITDA(イービトディーエー)とは、何か?

 

 従来の完工高偏重から経営内容の重視へと経審の在り方を変える中で、経営内容を評価するためには、フローとストックを適正に評価することが肝要とされた。フローの指標としては「利益額」、ストックの指標としては「自己資本」が適当である。

 「利益額」を具体的に評価するに当たっては、①会計基準による差異が少なく、②年度の変動が小さい指標が望ましい。そこで選ばれたのがEBITDA、すなわち「利払前税引前償却前利益」である。具体的な計算方法は、{営業利益+減価償却費}で求めることができる。

 このEBITDA、国際的な指標として「企業比較」や「企業価値の算定」等に用いられています(スタンダードな指標)。また、営業利益に減価償却を加えて計算されるため、実体のない(利益も固定資産もない)ペーパーカンパニーには有利に働きません。そのあたりが、今回EBITDAが選ばれた理由でもあります。

以上が記事の内容です。続きはJIMOTに掲載されています。

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JIMOT掲載記事の続き 経審改正

※以下の記事はJIMOTに載せた記事の再録です。

X1改正のポイント

改正前  ウェイト   0.35     改正後  ウェイト    0.25

                    

      評点幅 580~2616  →      評点幅 390~2268

      上 限    2000億円         上 限   1000億円

「完工高」は従来より公共工事の施工能力を測る上で重要な指標とみなされており、改正後においても重要な指標であることに変わりはない。しかし、経審における完工高重視の姿勢が、ともすれば建設業界の完工高競争を煽ってしまい、各企業の経営戦略を歪め、経営における合理性を欠く要因となっているのではないかと言う批判があった。一方で、ウェイト0・35×評点下限580=203点と言うことで、たとえ完工高がゼロでも203点取れると言うおかしな点もあった。そこで、ウェイトを0.35から0.25に引き下げ、評点の下限も390点とすることで、完工高そのもよりも利益を重視する(経営の内容を重視する)方向へ舵を切ったのが今回の改正だった。

・評点の下限を390点まで下げた意味

 改正前のX1の評点は、完工高がゼロでも580点がつくため、小規模・零細企業間で完工高による評点の差がつきにくかった。

 小規模事業者間においても適正な競争が行われるためには、小規模事業者なりに完工高に応じて評価に違いが出ることが望ましい。そこで、評点の引き下げと同時に評点テーブルも小規模事業者間で差異が現れやすい様改めることとした。

・完工高の上限を1000億円に引き下げた理由

 大手建設会社を評価する際には、徒に完工高の多寡のみで優劣を測るのではなく、利益率や資本の充実など経営の内容によって優劣を測ることが望ましい。

 そこで、評点の上限を2000億円から半分の1000億円まで引き下げ、「後は経営内容で勝負しろ」ということになった。

今回は以上です。続きは次回。

↑上記の記事はJIMOTに書いたものです。JIMOTに興味のある方は、ログインしてみてください。

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JIMOT掲載記事の続き 虚偽申請防止

※以下の記事は地元密着SNS JIMOTに掲載した者の再録です。

今回の経審改正の背後には、「公共工事の発注に際し公正を期すべく、虚偽申請の類はこれを徹底的に排除すべし!」という強い要望がありました。

 改正前の制度では、公共工事を食い物にしようとする一部の不良・不適格業者(建設業としての実体も実績もないペーパーカンパニー)が高得点をあげてしまう隙がありました。そこで、今回の改正では虚偽申請の防止を徹底すべく以下の方策を採用しました。

1 虚偽申請を行いにくい制度設計。

  ・経理の信頼性を高める取り組みを高く評価する。

   例:会計監査人、会計参与の設置。有資格者の起用。

  ・財務諸表のチェックマニュアルの作成。審査基準の外形化・客観化

   →虚偽や理解不足に起因する誤記入の予防。

  ・自己申告による評価項目の廃止。

2 虚偽申請に対するペナルティ強化。

  ・虚偽申請を行った場合の営業停止期間の倍増、厳罰化。

   →従来の営業停止15日を30日!情状によっては更に加重!!

 以上の方策によって、ペーパーカンパニーや杜撰な経理を行う不適格な企業を排除し、公共工事(税金で賄われる!)の入札契約の公正を確保し、真面目で実力のある企業が正しく評価されるようにする事が、今回の改正の目的の一つです。

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2008 04 01 経審大改正 (JIMOT投稿記事の再録)

※以下の記事は地元密着型SNS JIMOTに掲載した記事です。

平成20年4月1日より、経営事項審査に大規模な変更がありました

※経営事項審査(以下、経審)とは、建設企業が公共工事を受注する際必要な審査基準のこと。毎年審査を受ける必要がある。

 改正の目的は「公共工事の企業評価の指標として、公正かつ実態に即した評価基準を確立すること」及び「生産性の向上や経営の効率化に向けた企業の努力を評価し、これを後押しすること」にあります。これにより、企業の実力に沿った公正な評価を目指す一方、ペーパーカンパニーを排除することが期待されています。

主な改正点は、以下のとおり

1 X1(完成工事高)

 ・ウェイトを従来の0.35から0.25へ引き下げる。

 ・上限を2000億円から1000億円に引き下げる。

 ・小規模業者間で評点に差がつくよう、テーブル修正。下限を390点とする。

2 X2(自己資本)

 ・ウェイトを0.1から0.15へ引き上げる。

 ・従来の評価項目を廃止

 ・自己資本額とEBITDA(利払前税引前償却前利益=営業利益+減価償却費)を1:1で合算。

3 Y(経営状況)

 ・現行の12指標を以下の8指標に改める。

  純支払利息比率 負債回転期間 売上高経常利益比率 

  総資本売上総利益比率 自己資本対固定資産比率

  自己資本比率 営業キャッシュフロー 利益剰余金

4 Z(技術力)

 ・ウェイトを0.2から0.25へ引き上げる。

 ・技術者数と元請完工高をそれぞれ数値化、4:1の割合で合算。

 ・技術者の重複カウントは一人につき2業種までとする。

 ・基幹技能者の優遇評価。

 ・監理技術者講習受講者を優遇評価。

 ・評点テーブルを線形化。(従来は段差的)

5 W(社会性)

 ・それぞれの項目につき、加点幅・減点幅を拡大、上限引き上げ。

  →社会的責任の果たし方により、差がつき易くなる。

 ・自己申告による評価項目は廃止!

    例:「工事安全成績」「賃金不払状況」

 ・労働福祉の評価項目を整理統合。

    例:退職一時金と企業年金制度の統合

 ・法令遵守に関しては、建設業法に基づく監督処分の状況を審査。

  →独禁法違反、商取法違反などは、一応除外する。

 ・会計監査人、会計参与の設置や経理のチェック体制を加点評価。

 ・研究開発費の額を評点化。(但し、会計監査人設置会社のみ)

以上です。それぞれの項目の詳しい解説は、いずれ機会があれば。

この続きはJIMOTの「不定期業務日誌」に掲載しています。

興味のある方は、JIMOTに参加して下さい。

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